「…いや、しらねぇし……」
「…本当に人間…?」
不安そうに涙ぐむ陽菜。
うわ、可愛いなー…おい。
「って…ちげぇ………人間」
「証拠は…?」
「証拠?」
「ニンニク平気? 十字架は?」
「平気、ほら…みてみ?」
首にかけてあったクロスのネックレスを陽菜に見せる。
ニンニクは今ないから仕方ないけど……。
まさかここまで信じるとは思ってなくて、悪いことしたよな。
「ごめんな、陽菜」
「……よ、よかったぁ…本当に冷血君がヴァンパイアだったら私、殺されてたよね…。まだしたいこといっぱいあるのに!」
そういいながら、頬まで流れてきていた涙をぬぐって笑った。