「陽菜ー…?」




 腕を軽く揺すると唸りながら小さく目を開けた。





 自然に視線が絡みあうと、急に顔が青くなった陽菜。






「陽菜?」

「ば…ヴァンパイア……!」



 まだ信じてたのかよ……。






 何だか可哀相になって、ゆっくり陽菜の体を起こしながら「違うから」と言う。







「え、でもっ…と…トマトジュース!!」




 テーブルの上に置きっぱなしだったトマトジュースの缶を指さす。




「好きなだけだし」


「その雰囲気は…?」


「は……?」





 意味が分からない。




「そのヴァンパイアっぽい雰囲気!!」