*愁side*





「わ」





 俺が軽く首元に噛みつくと、ぐらっとこっちに倒れてきた陽菜。






 気絶してる……?





「やべ、やり過ぎた」





 俺の胸に顔を預けてる陽菜を抱き起して背負った。








「熱いし…」




 明日は金曜日でまだ仕事があるだろう陽菜に少し罪悪感を感じる。






 体調悪そうにしてたのに、俺が…わがまま言ったから。






 ちゃんと自覚くらい持ってるけど。





 急に俺が優しくなっても、陽菜に対する特別な感情が生まれてしまう気がして嫌だ。