「はいはい」 お財布を持って、家を出る。 とっくに暗くなっている空は肌寒い。 「…寒い」 「そりゃそんな服じゃ寒いでしょ」 一枚カーデを羽織っているだけの冷血君。 もうすぐ12月だと言うのに、ふざけた格好だ。 「コート貸して」 「え、嫌だよ!」 「いいじゃん…俺、寒いもん」 「病み上がりなんだけど」 それまで私のコートを引っ張っていた手がぴたりとやむ。 諦めてくれたのかと思った。 だけど、全然その気はなかったみたいで。