熱…?




 女の顔を覗きこむとだいぶ顔を真っ赤にして苦しそうにしている。





「ロック分かります? 俺、看病するんで」

「…いや、俺やりますよ」




 俺、何言ってんだよ。




 んなの面倒だって。





「林先生の恋人ですか…?」

「違いますけど」

「じゃあ俺に任せてください! 正直、君みたいな人に危なくて預けれないよ」





 は、何それ。




 思わずイラッとする。






 チラッと扉の横に書いてある名前を読んですぐに女の方に視線を戻す。





「陽菜、大丈夫か?」

「…んぅ」



 意味もなく、この男には負けたくない。