「ん、温まるから飲みな」

「…ありがと」



 小さな手でオレンジ色のマグカップを持ち口に含む。




 下を向いていた顔が角度的に少し上がる。





 頬が濡れているのが分かった。






「陽菜……」





 あまり理由は分からないが…悲しませたのは、俺が原因なのは十分あり得る。




 好きな人泣かせて、最悪だな俺。




「出よう」




 まだ少し残ってるカフェオレを置いて陽菜を立たせる。





 どうしたら笑ってくれるなんて分からないけど、俺なりに一生懸命頑張る。





 マグカップが熱かったのか、陽菜の手は温かかったけど手を繋ぐ。





「ん…」




 きゅっと少しだけ陽菜からも力を入れてくれる。