「愁君……」

「わりぃ…」



 近くにあったカフェに入って陽菜を落ち着かせた。




 手に持っていたコーヒーとココアは冷めきっていて、おいしくなさそうだ。






「ホットカフェオレとブレンドひとつずつ」





 注文をしてから陽菜の顔を覗きこむ。





 ここに連れてくるまでもずっと下を見たままだ。






「陽菜、ごめんな?」

「綺麗なおねーさんたちと遊びに行かなくて良かったの?」




 下を向いたままそう言う陽菜。




「ヤキモチ?」

「…違うもん。愁君が無理に私に付き合ってるなら…悪いなと思って」





 何を言い出すんだよ、陽菜は。





「違うから。もともと今日は俺が誘ったんだし」





 運ばれてきたホットカフェオレを渡す。