「でぇ、お茶奢るしぃ…」
「そろそろいい? 待たせてる人いるから」
「ならその人も一緒に…」
男だと思ったのだろうか。
にこりと笑ったユリという女は、俺の腕を掴んで腕組をする。
「ちょ、」
「おいしいケーキ屋さんがあるの」
「…離せって」
「怒った顔もカッコいい~」
向こうでもっと怒ってるやつがいるから!
でも…待てよ…?
怒ったような悲しそうな顔をした陽菜がこっちを見てるのが見える。
嫉妬……?
一歩も動きそうになかった陽菜がすくっと立ちあがる。
すると、俺と反対方向に向かって歩いて行ってしまった。
「えぇぇ…陽菜…」
「陽菜? 私はユリだよぉ♪」

