冷血男子




 我慢できずに、部屋に入ると母さんはニヤニヤし過ぎってくらいにやにや。




「陽菜、相手にしなくていいから」

「えー…でも愁君のお母さんでしょう?」

「…そだけど」





 ふふ、と笑った陽菜の傍に行くと母さんが口を開いた。






「こんなバカ息子、他にもらってくれる子なんていないから…陽菜ちゃんがお嫁さんになってくれると嬉しいわ」





 母さんがそう言うと、陽菜はにこりと笑って何も答えなかった。






 遠まわしに俺フラれてんじゃねーの…?





「もういいから、母さんたちは出てって」

「はいはい。琉、行こー」



 2人が出て行ったのを確認して俺は陽菜に抱きついた。





「どうしたの?」

「何でもねぇ」





 俺がフラれれば、陽菜は俺から離れていくかもしれない。





 そんなの嫌だし、しっかり抱きしめておきたい。






 すぐに引き寄せて抱きしめられる範囲に陽菜がいなきゃ俺は無理。