二人を置いて先に階段を下りた。
歯を磨いて、適当に朝飯を二人分くらいとってから部屋に戻ったのが間違いだった。
「あ、やべ」
階段を上がったところに二人がいないのに気付いて、部屋を覗くと母さんが陽菜に詰め寄っていた。
陽菜はがちがちに固まっていて、父さんは小さく笑ってる。
「えー…? そうなのー?」
「はい、愁君は優しいですよ」
「愁がねぇ…? 二人は付き合ってるの?」
「いや、まさか! 愁君にはもっと素敵な方がいると思いますよ」
そう言ってにっこり笑った陽菜に胸を刺された。
俺が恋愛対象として見られてないと分かったから。
そんな奴いねぇし、陽菜以外求めるつもりも探すつもりもない。
「いやぁ、陽菜ちゃんくらいよ! あの愁を操れるなんて」
「操れなんかしないですよ」

