冷血男子

 *愁side*




 俺、西野愁。




 散歩中に暗くなって、腹をすかせているところを女に助けてもらった。






 方向音痴の俺は、暗くなると全部一緒の道に見える。






 出てきたのはいいけど、帰れねぇー…。






 携帯を家に忘れたのがマズかったな。






「仕方ない、ぶらぶらするか…」





 歩くにつれてどんどん道が分からなくなるような気がして、近くにあった公園のベンチに座った。





 いっそ寝てしまおうと思い、目を閉じる。





 フッと浮かんできたのは、さっきの女の寂しそうな顔。





「んだよ」





 俺、興味ねぇのに。




 どうでもいいのに。