君への想いに気が付いてから半年が経って、妄想だけは風船みたいに沢山膨らましたけれど、同じ様にその分だけ、風船は無残に破裂していった。


君がくれた『ありがとう』とか。

顔文字とか絵文字とか。


現実はささやかな、きっと誰にでもする気遣いに、いちいち舞い上がっては深く沈んで。私はまた、風船を膨らまし続けるのだ。





たとえばそう、







私は勇気を振り絞って君の誕生日を聞き出して、プレゼントと一緒に気付かれるか気付かれないかぎりぎりの雰囲気で告白。
結局気付かれなかったけれど、プライベートでも良く話すようになる。







そんな可愛らしい妄想も、決して現実にはならないことはわかってる。でもだからこそ、それくらいは許されて欲しい。

ふらっと携帯を見ると、君からの連絡事項がキラキラ光っていた。深呼吸を一つ大きくして、面と向かって話しているよりも柔らかい文章に少し寂しくなってから、何でもないように、当たり障りのない返信をする。





そんな、欠片も勇気なんてない私にとって、君は天気雨。



短い会話をした時に見せる、普通の笑顔に涙が出る。




私を照らす太陽、私は今日も溺れてしまう。





息の出来ない空の底で



ふわふわと夢のように




風船を