後ろから聞こえる母親の声を無視して、私はいきよいよく自転車を走らせた 始業式早々遅刻するわけにはいかない 家から学校までの距離はそう遠くなく、自転車であれば10分ほどで着く予定なのだが 登校には15分ほどかかった 学校までの道のりには上り坂が多く、特に私の通う白樺高等学校の土地は山を少々登った土地にあったからだ 私は食パンを最後まで食べきると、いつものようにこの坂に挑む 「間に合えええええ!!」