・・・

島中の人に、

祝福されるのも、悪くない。

・・・

そんなことを思いながら、

毎日過ごす。

・・・

家に帰っても、

「おかえりなさい」

笑顔で出迎えてくれた美晴。

「ただいま」

鞄を預け、靴を脱ぐ。

・・・

「今日もまた、

おめでとうって言われちゃった」

そう言って微笑む美晴。

「オレも、その言葉を、

今日なんかい聞いたかな?」


「ねぇ、孝明」

「ん?」

「私たちって、幸せ者だね?

こんなにたくさんに人たちに、

祝福されて」


「そうだな」

美晴の肩を抱き、

部屋の中へ。