看護師に尋ねられ、

「ええ・・・

でも、妻が気に入ってくれるか」

そう言って、

私を見つめた孝明。


「考えてたの?」

「もちろん。

男の子は『海人(かいと)』

女の子は『美海(みう)』

ありきたりかもしれないけど、

あの綺麗な海みたいに、

心の綺麗な子に育ってほしくて。

どうかな?」

・・・

孝明は私の答えを聞こうと、

真剣な顔で見つめ返した。

「私も気に入った。

それにしよう」

・・・

「エ、そんなに簡単に

決めていいのか?」


「孝明が考えてくれた名前だもの。

私は賛成。とっても綺麗な名前だから」

私の言葉に、

孝明が微笑んだ。

「じゃあ、これから、

海人君と美海ちゃんって

呼びますね」