事情を説明してると、

周りにいた患者さんたちが、

何事かと

集まってきてしまった。

「孝明先生、私らは明日でもいいから、

奥さんを病院へ」

・・・

その言葉が出ると、

周りの人たちも賛成していた。

・・・

皆も孝明に診てもらおうと、

来てるはずなのに・・・

「一人で行けるから、

孝明は診察続けて」

私の言葉に、

「みんなもこう言ってくれてるんだ。

美晴や赤ちゃんたちに

何かあっては大変だ。

病院までは付き添う」

・・・

孝明は、白衣だけを脱ぎ、

鞄を持つと、

急いで船に向かった。