この体調の変化を、

孝明はまだ知らない。

・・・

とりあえず、

自分を落ち着かせ、

産婦人科に電話。

『今すぐ来てください』

そう言われ、

簡単な荷物だけを持って、

診療所に向かった。

・・・

「孝明先生は?」

この診療所の受付の荒木さんに尋ねる。

「今診察中ですけど、

お急ぎなら、呼んできますよ?」

優しい口調で言う荒木さん。


「急ぎと言えば、急ぎなんだけど」

青い顔をしてる私に、

気が付いたのか、

荒木さんは、私を残し、

診察室に走った。

・・・

間もなくして、

孝明が駆け付けた。