車のところまで来て、

ようやく足を止めた美晴。

「…美晴」

オレは優しく声をかけた。

・・・

美晴はゆっくりオレの方を向き、

思いっきり抱きついた。

「こ、怖かった・・」

「・・うん・・

よく頑張ったよ」

・・・

オレは美晴の背中を優しく撫でる。

「少しは強くなれたかな?」

「十分強くなったと思うよ。

真正面からぶつかったんだ。

美晴なら、もう、大丈夫」

・・・

そう言って微笑むと、

美晴はせきを切ったように泣き出した。

・・・

オレはずっと、

美晴の背中をさすり続けた。

・・・

数年前とはいえ、

あんなに脅えていた相手と、

ちゃんと話をした美晴。