その日、家に帰ると親の転勤が決まったことを聞かされた。
神奈川。

となりの県だ。
学校は今のところで卒業できることになった。

お父さんだけが先に神奈川にいく。
中学校からはぼくも神奈川だ。



また、友達と離れることになるのか。




ぼくは小澤に一番に電話した。

「神奈川なら近いから、電車で遊びに行くよ」


と言ってくれた。
たしかに、電車なら小学生だって旅できる距離だ。


この距離なら・・・



「藤富にだってすぐ会いに来れるぞ」

「な、何言ってンだ!」


電話の向こうで茶化す小澤。
図星をつかれてぼくの声は裏返ってしまった。


かっこ悪。


でも、小澤のお陰で沈んだ気持ちが少し楽になった。



小澤とはずっと友達でいたい。