ぼくのクラスは男子と女子の仲が悪い。
男子は男子、女子は女子で団結して、ことあるごとに教室は戦場と化した。

戦場と言っても、飛び交うのは言葉の弾だけど。


藤富千夏は、戦争にはあまり参加しなかった。
それがぼくには楽だった。
藤富千夏に悪口を言わなくてよかったからだ。



でも、なぜだか少しさみしかった。
その理由がわからなかった。



なぜだろう。



ぼくは日に日に変になっていく。


自分でもわからない……



気持ち。




藤富千夏の声を聴くと、心臓が跳ねる。


変だ。


藤富千夏の顔を見ると、顔が熱くなる。


変だ。


藤富千夏を想うと、深いため息が出る。


変だ。


変だ。


変だ。




変、変、変……




変なんだ。




ぼくはどこか変なんだ。