放課後、あたしは歌いながら帰った。

即興というかアドリブというなんつーのかしらね。



「手を伸ばせば また君に届いた気がするんだ!
でも前で両手広げ塞ぐのは僕?
声はでない。耳には届かない。
けどこう言ってる気がするんだ。
『君はもう、ぼくが好きじゃないよ』」



一人で歩くのが好きになったのは、いつからなのかさえも忘れた。

あたしはいつからこうなったんだろう。




雨上がりで綺麗に光る蜘蛛の巣をふと見つめながらそう思った。