ズザァァァ……

ものすごい音が
したのに
その人は無傷でした。


私はブランコを足で
止めました。

「あなたはだぁれ?」

私はその人に
聞きました。



「僕はサンタクロース。
以後お見知りおきを。」


その人は、
私の手の甲に
接吻をしてきました。

「あなたの本当の
お名前は?」


夏の日に
サンタクロースだなんて
ばかげてる。


「佐藤だよ。」

佐藤さんは
片膝を地面に付け、
私の手を取ったまま
しゃべりました。



「仕事は、本当に
サンタなんだよ」

佐藤さんは
スクッと立ち上がり、
私の頭を
なでました。