幾つ、年を越したろうか。


幾つ、日にちを数えたろうか。


幾度、彼に恋焦がれたろうか。


幾度、寂しさに涙流したろうか。


時間は、止まる事なく進んだけれど。


私の心は彼と別れたあの日のまま。


ようやく。


私の心の時計が進み始める。


鼓動は、早くなり。


視界は霞み。


彼の名を呼ぶ声には嗚咽が混じり。


遅い遅い心の時計は数年間止まっていたのを補うかの様に早く進む。


きっと。


早く進みすぎたのだろう。