ヒラヒラヒラ…パサ

「ハンカチだ…誰のだろう。」

なつみが拾ったのは青いハンカチだった。青一色の。

「どうしよ…あ、名前。藤咲かなめ…藤咲…どっかで聞いたような…」

落とし主の名前には見覚えがあった。確か同学年のはずだ。喋ったことはないけど、ボヤッと顔は浮かぶ。
たぶんあいつだ。
なつみはとりあえずそれを鞄の中に突っ込んだ。


学校で渡そう。もし見つからなければ、近くの交番にでも届ければいい。
なつみは家路に急いだ。


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「絶対持ってきた筈なのにない。」

このままでは人様のものをただ盗って無くしてしまっただけになってしまう。
なつみは焦って鞄や机の中を探した。