――2046年、4月19日。
10時20分。授業中。
僕は窓から入り込む
春独特のうららかな日差しに和み
ながら睡魔と格闘していた。
だって仕方ないじゃないか、
こんなにあったかいんだもの。
しかも催眠授業な日本史だし。
僕には何の非はないぞ!……等と
誰に言い訳をするでも無く頭の
中で独り言をつぶやいて気を
紛らわせていた。
その独り言を
遮るように「おい、橘ー?
たーちーばーなー?起きてるか?
寝てたなら当てるぞー?」と、
トサカせんせ……もとい、馬場
先生からのラブコール。
起きてますよ、の意思表示をする
ために頭だけ起こすと、
「よし、起きてるな。じゃあ
教科書138Pの『青春推進法』に
ついて読んでなー。」
起きてても結局当てるんじゃん!!
……など思っても仕方ないので
重い瞼をこすりながら教科書を
開いて音読を始める。音読嫌い
なんだけどなぁ……。
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