「待たせたな」
そう言いながら、ジュースとお菓子を持ってきた。
結構気がきくじゃない・・・。
立ったままだった私は、促されるままにソファに座った。
低いテーブルの上のお菓子に手を伸ばす。
これ・・・ヘヴンのお菓子じゃない。
ヘヴンって、この辺では有名なケーキ屋さんで、
よく雑誌にも出てる店。
このマドレーヌなんて、すぐ売り切れちゃうんだ。
私なんて誕生日くらいしか、ここのケーキ買って貰えない。
「ん・・・・おいしっ」
ほっぺがとろけそうだよ。
あんまりにも美味しくて、夢中になってて
彼が横に来たことに
まったく気がついてなかったんだ。
