琴葉は季を追い返した後、
スーパーへ買い物へ行った。
その帰り、
自分のアパートの階段を登ろうとすると…。
「……」
琴葉は眼鏡をかけた(琴葉は意外と視力悪いです)。
アパートに向かって、
隣の部屋のドアを叩いていた女が歩いてくる。
「わーお…」
女はアパートの敷地に入ると、
琴葉を見た。
琴葉は凍りつく。
「こんにちは」
可愛らしい声で女は言った。
「え、あ、こんにちは」
「あなた、1週間前に越してきた子?」
「あ、はい」
「あたしも1週間ちょっと前に、204号室に引っ越して来たの」
「え゙…あ…そうなんですか…」
「仲良くしてね、よろしく」
女はそう言うと、
204号室に入っていった。
琴葉は激しくめまいがした。
そして琴葉は、
季の部屋の前に行き、ノックした。
中から返事はない。
琴葉は溜息をつき、
「季さーん、矢神です」
するとドアが開いた。
