その日も琴葉は
紅茶の入ったマグカップを片手に
ノートパソコンの前に座り、
掲示板を眺めていた。

「久々にオカ版(オカルト掲示板)の過去スレ(スレッド)見てくるか」

琴葉がそう呟いた時だった。
ドアの外から物凄い音がした。
恐らく、ドアを叩いている音。

「な…なんだぁ?」

その音は、琴葉の部屋のドアではなく、
琴葉の隣の部屋のドアを叩いているようだった。
琴葉は恐る恐る
自分の部屋のドアを開け、
外の様子を確認しようとした。
もしもの時のために、
ドアにチェーンはつけておいた。
ゆっくりドアを開けて、
隣の部屋のドアを見ると…。

「……」

琴葉は無言ですぐにドアを閉めた。