父が事故で亡くなってから、母は必死に家庭を守ってくれた。


……母は、家政婦の仕事で割と高い給料を貰っていたので、私達2人はアパート暮らしで、贅沢をしなければ生活出来るくらいの余裕はあった。


高校の資金だって、母が私に内緒で溜め込んでいたおかげなのである。



━━━━お母さん……



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手術室から、先生が現れた。
先生の顔は、青ざめていて、目を伏せがちに説明を始めた。

「…………手を尽くしました。残念ですが、お亡くなりになりました。」


…………亡くなった。




………………嘘でしょ。