原石のシンデレラ~孤独なお姫様~

━━━「父さん、おかえり。…あれ、その可愛い女の子が居候さん?」


奥から、コーヒーカップを持って現れた男の子は、170センチ位ありそうなスマート体型。


短髪で、さっぱりとした印象を受けた。
やはり、唯王さんに似ていて綺麗な容姿で、穏やかな表情。



「孟(ツトム)、そうだよ。塩宮 姫奈さんっていうんだ。━━ほら、以前家政婦さんをやってくれていた、桜さんの娘さんだ。……姫奈さん、これが四男の孟(ツトム)高校1年生だよ。姫奈さんと同級生だね」



「よ、よろしくお願いします」

ペコペコと頭を下げると、不意にクシャッと頭を撫でられて、顔を上げた。


「……君が桜さんの娘さんかぁ、とても良く似てるね。━━桜さんから、君のことは聞いていたよ。………まさか、あんな若さで亡くなるなんてね。……僕達、兄弟は桜さんのことを、母親のように慕ってたから、とてもショックだったよ」


ふっと悲しげに笑う、孟さんを私は見つめていた。

「……え、お母さんは?」


「……妻は、病気で亡くなりました。」



「……ごめんなさい」


「姫奈ちゃん、気にしないで。…家族として仲良くしてね」