原石のシンデレラ~孤独なお姫様~

中に入ると、大きなホール位の玄関に、二階まで見渡せる吹き抜けと階段。



呆然と立ち尽くしていると、「……アンタ、誰?」冷めた口調の男の子の声が響いた。


振り返ると、私より背の高い(推定、165センチ位?)男の子が立っていた。


冷めた目つきだけど、唯王さんに似て綺麗な容姿だけど、睫毛が長めで一見、女の子に間違えそうなくらい可愛い。


「わ、私…塩宮 姫奈(シオミヤ ヒナ)といいます……」

慌てて自己紹介をして、ペコペコと頭を下げた。


「…父さん、アンタが言ってた居候の人物って、コイツだったのかよ。━━しかも女。」


不機嫌そうに、睨みつけられて、私は恐縮した。


「…まぁ、いいじゃないか、男だらけっていうのもむさ苦しい」


「……チッ、父さんが決めたなら、勝手にすれば。━━俺は仲良くしないぜ」


スタスタ…と、階段を上って行った