原石のシンデレラ~孤独なお姫様~

………警察署に着いた。


御坂さんに促されて、霊安室へと向かった。



そこには、箱に入ったお母さんがいた。



箱の中には、お母さんの真っ白な顔が、綺麗に化粧をされて眠っていた。



「……お母さん、綺麗だよ。」


静かに眠ったままのお母さん。
本当に綺麗だった。良かったね、綺麗にしてもらえて…本当に。


「……あなたが娘さん?」

声をかけられて振り向くと、2人の中年の女性がいた。

「……あなたのお母さんが働いていた、会社の社長の篠原です、」

「チーフの松村です」


「今日は、きてくださり、ありがとうございます。母も喜んでおります」


唇をぎゅっと閉じて、ぺこりと会釈した。



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お線香を炊き終わると、部屋中がお線香の匂いでいっぱいになった。



次に火葬場へと向かうことになり、
母を積んだ真っ黒な車が静かに走り出した。

その後ろを、御坂さんの車が着いていく。