「………ん、バイバイ。」



御坂さんの乗せた車を見送ってから、私は家に入った。


部屋に入ると、シーン…と静まり返っていて、何だか孤独を感じた。



キュッと唇を閉じて、大丈夫……と言い聞かせた。


クローゼットを開けて、喪服を調べた。


「……うん、汚れてないし、大丈夫だね」


私が、喪服を着るのは、お父さんが亡くなった時以来だ。


確認を終えて静かにクローゼットを閉めた。


テレビリモコンに手を伸ばして、電源を入れると、楽しそうな笑い声が静かな部屋に響きわたる。


「……ふ、ふふ。」


テレビを見て笑っても、ちっとも楽しくない。


余計に孤独感が私の背後から押し寄せてくるようで、恐怖を感じて身震いする。


「いつでも電話してきて良いからね」


御坂さんの言葉が蘇り、携帯を見つめた。