「━━御坂さん、1つ質問良いですか。」


「あぁ、構わないよ」


車を発進させた御坂さんの横顔を見つめて呟いた。


「……私、御坂さんに自宅教えてないのに、何故わかったんですか」


「昨日、私の部下の林原に、君を送るように頼んだだろう。━━その後に、林原からある程度の方向を教えてもらっていたのさ。」


「……なるほど」


納得して頷く私に、御坂さんはクスリと笑った。


「……君のお母さんの葬儀のことなんだけれど、 明後日の15時からに決まったから。……遺体は警察署で預かっているから。そのまま警察署で葬儀を行うと思う。」


「そうですか、ありがとうございます…。私がやらなくてはいけないのに。」


「……姫奈ちゃんは、もう少し大人に甘えても良いんじゃないかな。━━━私にも姫奈ちゃんくらいの孫が居るんだけどね……。」


私は驚いて思わず、御坂さんを凝視した。


━━━確かに、御坂さんはある程度は年配だろう。けれど……


そんなに皺もなければ、余り老け込んで見えない。


「おいおい、余り見ないでくれよ、だだのオッサンなのに」


「…み、御坂さんって、50歳じゃないんですか!?」


「えぇ?私は還暦を超えた老いぼれだよ」


「還暦…ってことは……ろ、60歳ですか?……やだっ!!」


「……(笑)━━やだっ…って言われても。
私の方がやだよ~」


はははっ……と笑っている御坂さんの横顔は、どうみても還暦過ぎた人には見えない。


「…………はぁ。凄いなぁ」


思わず見とれて溜め息を吐いた。


「えぇ?……何が(笑)」


「…………どうみても、還暦に見えない。」


「いやいや、年は誤魔化せんよ━━━さぁ、着いたよ」


そういえば、どこに行くか知らなかったんだけど…。


目の前にあるのは、ファミリーレストラン【スマイリー】


「……そろそろ昼時だし、何か食べながら話をしようと思ってね。━━若い子が好きな店っていうのはイマイチ分からなくてね、」


「………ぐ~~~。」


私返事をする前に、お腹が先に返事をしていた。