━━【女の子は、原石のシンデレラなのよ】



【ママ…なぁにそれ?】



【いい?…姫奈。沢山の人と恋をして、綺麗になるのよ。シンデレラに…】



【うんっ】


小さい頃から、母の口癖。

沢山の人と恋をしなさい。
そうすれば…素敵なシンデレラになれる



━━━私は、母の言葉を信じてきた。


今でも━━━。





「お母さん、早く早くー」

「待って、化粧終わるから」


今日は日曜日。
母の仕事が休みになった為、2人で出掛けることになったのだ。


「んもー。お母さん、充分綺麗だから大丈夫だってば」


「女はね。いくつになっても、綺麗でいたいものなのよ」


「わかったからー。」


私は、そんな母が大好きだ。
いつまでも、若々しくて綺麗で自慢の母。


これからも、そのままでいてほしい。


「じゃあ、しゅっぱぁーつ」


私、潮宮 姫奈(シオミヤ ヒナ)

中学を卒業したばかりの15歳。

今は春休みだから、のんびりしてます。

もうじきで、高校かぁー…楽しみだな。