たどり着いたのは、少し影にある小さな広場。
昼休みや放課後には大体のカップルが集まっている場所。
小林くんはふと広場のベンチ付近で立ち止まると、私のほうに振り返った。
振り向いた小林くんは背後の夕方のせいで顔が影に隠れて、ハッキリと見えない。
「…あのさ、俺。」
「う、うん。」
言葉を発したと思えば、間ができ、沈黙が続く。
…き、気まずい。
あまりにも味わったことのない、この雰囲気や間がなんだか居たたまれなくなる。
下を向き次の言葉を待っていると、いきなり肩をがしっと掴まれた。
「?!ど、どどどどうしたの?!」
な、なんか嫌なことしちゃったかな?!と思って謝ろうと顔を上げると、顔を真っ赤に染めた小林くんがいた。
「俺、桜庭さんが好きなんだ。俺と付き合って欲しい。」
