偶然にも、一希くんとあたしは同じクラスだった。

クラスに入ると、一希くんの机には女の子が群がっていた。

『隣りの席の、楓です。よろしくね。』

「あたしは雫。よろしくね!」

『雫は…高校から入学!?』

「うん!」

『私は中学からだから、色々聞いてね!』

楓は、清楚な女の子と言うのがふさわしい子だった。

全寮制だから、部屋も楓と同じになった。

「あのさ楓…」

『何!?』

「あの金髪の子って、人気者なの?」

あたしは気になって聞いてみた。

『もしかして、雫気になっちゃったの!?』

「いやいや…照」

『あれは高山一希で、付属中の時からモテモテなんだよ。女遊びが激しいとか、5股してるとか。でも、生徒会長とかする敏腕な奴。』

楓の説明は、小1から今まで会ったことのない間の一希を一瞬で分かるような感じだった。

「遊び人なんだ…」

『雫…もしかして…』

「一目ぼれは即終了ッ!」

『雫ッ…』

いつの間にか二人で泣きあっていた。

担任の先生が教室に入って来た。