──ピンポーン──

玄関のチャイムが鳴り響く。

「学校なんて、めんどくせー。」
俺は呟きながらも、制服に着替えた。
スクールバッグを掴み、部屋を出る。

「彼方、遅せーぞ。」

「悪りぃな、飛鳥。」

俺は朝が苦手だ。
でも、起こしてくれる家族はここにはいない。
だから、毎日コイツが迎えに来てくれる。

「新学期なんだから、今日くらいは爽やかに目覚めらんなかったのか?」

半ば呆れぎみに、飛鳥が言う。

「俺、マジで朝無理だから」

欠伸をしながら、学校へ向かった。