玄関先に出て、ドアノブに手をかける。

…ドアを開けた途端にタックルするような不届き者は、天神学園広しといえども雛菊しかいない。

ごく普通にドアの前に立っていたのは。

「こんにちは、雛菊ちゃん」

隣人のアリスカだった。

「おぉ、アリスカちん」

ニパッと笑う雛菊。

「どしたんどしたん?グダグダ会議のお誘い?」

「違うっ」

裏手でズビシッ!とツッコむアリスカ。

「ちょっと雛菊ちゃんにお願いがあってさ…」