「んじゃあちょっくら…」

龍太郎の『気質』が変化する。

人間本来が身に纏う気配とは明らかに違う、人ならざるものの異質な気迫。

その痺れるような気迫に、レスクレとメルさえも息を呑む。

「これが…龍の…」

「素晴らしいですわ…アリトンお兄様が拘るのも分かります…」

メルが、一振りの剣を握り締める。

グラム。

北欧神話の英雄ジークフリードが、悪竜ファフニールを滅ぼした際に使用したとされる剣だ。

「龍退治には打って付けでしょう?クスクスクス…」

剣を構えて突進するメルに。

「力ぁ借りるぜ『臥龍』!」

龍太郎もまた拳を握り締め。

次の瞬間!