（そうだよな…俺は人間なんだし、レスクレとメルは悪魔や魔物なんだし…俺がちょっとぐれぇ力借りたって、別に恥ずかしい事ねぇよな？）

龍太郎の中で、心が揺らぎ始める。

（そうだよ、別に『コイツ』は邪悪な存在じゃねぇって佐倉の連中も言ってた…ちょっと…ちょっと力を借りるだけさ）

そんな龍太郎の心の変化に気付いたのか、レスクレが薄く笑う。

計画通りだ。

龍太郎を追い詰め、『臥龍』に頼らざるを得ない状況にする。

そうやって『臥龍』が覚醒してしまえばこちらのものだ。

『龍』を『竜』に変えてしまう事は、時間をかけてゆっくりと行えばいい。

龍太郎の内の封印を解く。

それは、龍太郎本人が意識しなければ出来ない事なのだ。