止まっていても狙い撃ちにされるだけだ。

活歩で素早く攪乱に出る龍太郎を。

「!!」

レスクレが腕を掴んで制する。

「どこへ行こうっていうのさ、龍太郎君」

その握力たるや、龍太郎ですら微動だにできない。

レスクレの細身のどこから、これほどの力が発揮されるのか。

そんな事を考える間もなく。

「くっ!」

回転しながら、ミョルニールがメルの手で投擲される!