そのレスクレに、サン・レオーネが呟く。

場所は天神学園のプール。

こんな寒い時期にプールに来ているのは、修行馬鹿の龍太郎か、水から生まれた悪魔とされるレヴィアタンであるレオーネくらいのものだ。

尤も、その『水から生まれた悪魔』というのも、人間の勝手な学問『悪魔学』によるものだが。

「アリトン…本当にやるの?リオネは嫌…」

無表情のまま、しかし伏目がちに首を緩々と振るレオーネ。

「レオーネにまで無理強いはしないよ。君は僕らと同族とはいえ、人間達と親しいからね」

相変わらず何を口にしているのか、モグモグさせながら、滑舌悪くレスクレは言った。

「これは僕の友情故の行為だ…」