それにしても。

「もうわかったろう、僕も乙も揃って卒業だよ。離れ離れになんてなりやしない」

「わかっておるっ」

「卒業しても、一緒にいられる。竜宮に帰って、君は棟梁としての仕事に戻るんだ」

「しつこいの、分かったと言っておるっ」

「だったら」

うつ伏せのまま、魚尾は問う。

「何で乙は、いつまでも泣いているのさ」