「説明してたもれ、魚尾」

乙が教室の机に突っ伏す魚尾に顔を寄せる。

「……」

顔を伏せていた魚尾は、少しだけ視線を乙に向けて気だるそうにした。

「卒業とは何ぞや?何やら3年生の生徒どもがソワソワしておるのじゃ」

美貌もスタイルも、大人びてとても10代とは思えない乙。

しかし人間の世界には疎く、知らぬ事も多い。

こうして魚尾に質問を浴びせる姿は、どこか可愛らしく見えた。