しかし。

「!」

ドンッッッ!と。

腹の底まで響くような太鼓の音。

暁は思わず振り向く。

…練習終了の挨拶を済ませた筈なのに、団員達は誰一人として、その場から離れようとしていない。

「どうした?もう練習は終了だって…」

言いかけた暁に対して。

「これよりっ!今年天神学園を卒業する卯月 暁団長のっ!卒業後の健闘を祈ってっ!応援のエールをっ!行うっ!」

次期応援団長に選ばれた男子生徒が叫ぶ。