そんな言い争いをしつつも。

「……見せてみなさいよ」

千歳の小テストの答案を横取りする万里。

散々な答案だ。

こんな壊滅的な採点をされる者が、龍太郎以外に存在したとは。

「…帰ったらちょっと勉強教えてあげるわよ。私も頭よくないけど」

「そうね、万里は体質に頼って成績いいだけだもんね」

「ごめんなさいね、幸せで」

「クッ…むかつくわぁ」

「でも」

万里がクスッと笑う。

「姉妹揃って卒業したいでしょ?」

「……」

千歳が鼻を鳴らす。

「まぁね」