冬真っ只中、息も白い天神学園校庭。

白刃 出麼(しらは いづも)はスルスルと器用に木に登る。

太い枝に腰掛け、足をブラブラ。

ここは彼女の特等席。

校舎の屋上にまで届きそうな大きなこの木は、天神学園の敷地内を一望できる。

「何でこんな寒い日まで外に出るのさ…教室に戻ろうよ…」

パートナーの大蛇、甃(かわらな)は出麼の服の中に潜り込んで寒そうだが。