璃月の武勇伝はこんな程度には留まらない。

彼女の破壊行為は、毎日のように続いた。

歩けば廊下そのものを踏み抜き、階段を昇れば手摺りを引き千切り、教室に入れば引き戸を吹き飛ばす。

当時在学していた五十嵐 かなこ生徒会長の姉が、彼女の後始末の為に奔走していたのは言うまでもない。

度重なる修理修繕、積み重なる費用。

あまりの出費に、その年の天神学園の文化祭、体育祭は史上稀に見るショボさだったという。

璃月の破壊活動のお陰で、予算が大幅に削られてしまったのだ。