「あら?」

静江は、小首を傾げた。

いつも元気な愛娘の笑顔。

その笑顔の隣に、大人しそうな色白少年の姿…。

「雛ちゃん、お友達?」

「彼氏の秋帆君だよぉ♪」

雛菊はニパッと笑う。

「は、はじめましてっ、雛菊さんとお付き合いさせて頂いています、薙沢 秋帆といいますっ、ひ、雛菊さんにはお世話になっていますっ…」

緊張の面持ちで頭を下げる秋帆を。

「まぁまぁ♪いらっしゃい秋帆君♪」

静江、いきなりハグ。

「うぷぷぷぷっ」

「お母さんっ、何やってるのっ!」

無理矢理静江と秋帆を引き離す雛菊。

「いいじゃない、可愛い子なんだし、抱っこくらい」

「駄目っ!秋帆君は私のなんだからっ!」

秋帆に頬擦りしつつ、プクッと頬を膨らませる雛菊。

どうも雛菊の破廉恥は静江似らしい。